保険は種類が多く、どれを選べば良いか悩むことが多いでしょう。今回は、自分に合った保険を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
※ 保険の基本的な仕組みと種類については、こちらの記事で解説しています。
→ 保険の基本と種類
1. まず、すでにある保障を確認する
保険選びで最初にやるべきことは、商品の比較ではありません。自分がすでに持っている保障を把握することです。
確認する対象は3つあります。
- 公的保障:高額療養費制度、傷病手当金、遺族年金など。会社員か自営業かで内容が大きく変わります
- 勤務先の制度:健康保険組合の付加給付、団体保険、弔慰金など。ここは見落とされがちですが、独自の上乗せがある場合があります
- すでに加入している保険:クレジットカードや共済に付帯している保障、住宅ローンの団体信用生命保険なども含みます
住宅ローンを組んでいる方は特に注意してください。団体信用生命保険により、契約者が亡くなればローンの残債はなくなります。その分、必要な死亡保障は下がっているはずです。この確認をせずに保障額を決めると、過大な契約になります。
2. 目的を明確にする
次に、保険に加入する目的を明確にしましょう。目的がはっきりすれば、自分に必要な補償内容が見えてきます。
目的例:
- 家族のための生命保険
- 自分の医療費を補償するための医療保険
- 住宅を守るための火災保険
このとき有効なのが、「起きる確率」と「起きたときの金額」で整理するという考え方です。
保険が本当に必要なのは、起きる確率は低いけれど、起きたら自力では負担しきれないことです。対人賠償事故や、一家の稼ぎ手を失うといったケースがこれにあたります。
逆に、貯蓄で対応できる程度の金額であれば、保険料を払い続けるより手元に置いておくほうが合理的な場合もあります。「不安だから入る」ではなく「これは自力で払えるか」で判断すると、必要な保険が絞れます。
3. 保険の見積もりを比較する
複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容や保険料を比較しましょう。インターネットを利用すれば簡単に比較できます。
方法:
- 保険比較サイトを利用し、条件に合った保険を検索します。
- 各保険会社の公式サイトで詳細を確認します。
- 見積もりを依頼し、具体的な保険料を比較します。
比較する際は、月額の保険料だけでなく払込総額も計算してください。月5,000円の保険でも、30年払えば180万円です。この金額に見合う保障かどうか、という見方をすると判断が変わることがあります。
4. 保険代理店やアドバイザーを活用する
保険代理店やアドバイザーに相談することで、専門的なアドバイスを受けることができます。自分に合った保険を見つける手助けとなります。
方法:
- 地元の保険代理店を訪れ、カウンセリングを受けます。
- ファイナンシャルプランナーに相談し、ライフプランに合わせた保険を提案してもらいます。
- インターネットで保険アドバイザーのサービスを利用し、オンライン相談を行います。
ただし、相談相手の収益構造は把握しておいてください。多くの保険代理店や「無料相談」の窓口は、保険会社から支払われる販売手数料で運営されています。相談自体が無料でも、提案には手数料の大きい商品が含まれやすい構造があります。
これは相談してはいけないという意味ではありません。専門知識は有用です。ただ、「この提案で誰がいくら得るのか」を意識しておくと、提案を鵜呑みにせずに済みます。相談料を払う形の、商品販売を伴わない相談先を選ぶという方法もあります。
5. 保険の内容を理解する
保険の契約前に、補償内容や約款をしっかりと理解することが重要です。分からない点は保険会社に確認し、納得してから契約を進めましょう。
確認事項:
- 補償範囲や除外事項を確認します。
- 保険金の支払い条件や手続きを把握します。
- 契約期間や解約時の条件を理解します。
特に除外事項は重要です。パンフレットには「こういうときに支払われます」と書かれていますが、実際に支払いを左右するのは「こういうときは支払われません」の部分です。ここは読みにくいですが、契約前に必ず目を通してください。
6. ライフステージに合わせて見直す
保険は一度加入すれば終わりではありません。ライフステージの変化に応じて、定期的に見直すことが必要です。
見直しポイント:
- 結婚や出産などのライフイベントに合わせて保険を見直します。
- 子供の成長や家計の変化に応じて、必要な補償内容を調整します。
- 退職後の生活に備え、老後の保障を追加することも検討します。
見直しは「増やす」だけではありません。子供が独立すれば、必要な死亡保障は下がります。ライフステージが進むと保障を減らせる局面がある、という視点も持っておくと、保険料の負担を抑えられます。
まとめ
自分に合った保険を選ぶ手順は、次のようになります。
- 公的保障・勤務先の制度・既加入分を確認し、すでにある保障を把握する
- 「確率は低いが自力では払えない」リスクに絞って目的を決める
- 払込総額で比較する
- 相談相手の収益構造を意識する
- 除外事項を読む
- ライフステージに応じて、増やすだけでなく減らす見直しもする
保険は自分や家族の生活を守るための重要な手段です。だからこそ、不安を基準にするのではなく、必要な部分を必要なだけ、という形に整えていくことが大切です。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の保険商品を推奨するものではありません。制度や商品の内容は変更される場合があります。実際の判断はご自身の状況に応じて行ってください。